展示場会にて(写真撮影の許可あり)
12月に「田根剛│未来の記憶」展に行ってきました。
会期はもう終わってしまいましたが、東京オペラシティ アートギャラリーと、TOTOギャラリー・間、の二か所同時開催で、TOTOギャラリー・間、の方を観てきました。
建築家、田根剛氏
田根氏は1979年生まれの39歳、現在はフランスを拠点に世界で活躍されている建築家です。2006年に26歳の若さで国際コンペ「エストニア国立博物館」で最優秀賞を授賞し,2016年に10年の歳月をかけて、ようやく竣工したことで広く知られています。
2012年には、2020年東京オリンピック、新国立競技場の基本構想国際デザイン競技のファイナリストとして選出されたことでも大きな話題になりました。
アイデアの発掘と収集
田根氏が建築をつくるときの手法は、場所の記憶を遡り考古学者のように遠い時間から場所の記憶を掘り起こし、それを建築に飛躍させる手法をとっています。
エストニア国立博物館では、その手法が見事に建築に昇華されています。エストニアはバルト三国のひとつで、旧ソ連に属していました。敷地は旧ソ連軍の空軍基地で、その旧軍用滑走路の延長線上に建物を計画し、滑走路から徐々に建物が立ち上がり博物館の屋根へとつながる大胆かつ明快な建築です。場所の記憶からつくる建築として、エストニアの未来の記憶へとつながる見事な建築計画であり、まさに田根氏の代表作といえる建築です。
イメージと建築をつなぐ展示
エストニア国立博物館以外にも多数のプロジェクトの展示がありました。
建物の規模、用途はさまざまですが、展示方法は場所の記憶を深堀するイメージ写真のコラージュと、建築模型だけで構成されていますが、その建築の成り立ちが良くわかる内容になっていました。
それは、「内なる言葉をイメージする」→「イメージに形を与える」→「形を建築にする」一連の流れがよくわかる構成で、まさに田根氏が提唱する「Archaeology of the Future」(未来の考古学)を体感できる展示でした。
建築展と聞けばなんだか難解そうなイメージもありますが、たまには建築展に行ってみるのはいかがでしょうか。街並みの見方が変わるかもしれません。
【編集日記】
今日は仕事初め。年末に大掃除したおかげでデスク廻りが綺麗さっぱり、
快適に仕事が出来ました。この状態を常に保ちたいところです。