新人の育成について

 

普段、仕事で部下や後輩の指導育成をする立場にありますが、なかなか難しいものです。どうすればもっとうまくいくか、原因と対策を考えてみました。

■上司はコーチングの専門家ではない

毎年、春になるとうちの会社にも新入社員が入社してきます。年により多い少ないはありますが数名入社します。入社後、一週間程度は基本ソフトの操作など、新入社員研修プログラム受けますが、程なく実働部隊の一員として配属されます。

配属後は、直属の上司が社会人としての一般常識から専門分野の知識・技術を一から教えていきます。しかし、上司の通常業務の量は変わらないので、新人教育に掛ける時間と手間が丸々負荷としてのしかかります。このような状態だと、上司がしっかり指導したいと思っていても満足のいく指導ができません。

また、そもそも上司は長年経験を積み、専門分野の知識・技術については、部下を指導育成できるレベルにあっても、教えること自体を学んでいなければ、コーチングについては素人と同じです。人によっては教えることが上手い人もいますが、そうでない人もいるため、教え方によって結果にばらつきが生じます。

■教える仕組みが必要

これを解消するために一つ目は、だれが教えてもある程度同じ結果に到達できる仕組みが必要です。新入社員や部下に身に着けてほしいスキルを専門分野別にレベルを定め定型化することで目標が明確になます。

二つ目は、どのようにしてその目標に達するか、具体的なマニュアルを整備することが必要です。マニュアルといっても一からすべてを規定するのではなく、各業務の目的と、そこで押さえておかなければならないポイントを明確に整理します。

教える仕組みを整備することにより、コーチングの属人化を防ぎ、教える人が誰でもある程度同じレベルに到達できるようになります。

■育成に対する評価も必要

部下を育成する時間と手間をかけても、教える側の上司が評価されなければ、実効性に結び付きません。上司には部下を指導するための時間と、成長に合わせてた適切な評価が必要です。

また、上司にも部下をコーチングするスキルを学ぶ機会を与えれば、より効率よく部下の指導ができ、部下の指導を通して上司も共に成長できるのではないでしょうか。

【編集日記】
今日は終日事務所で作業。はかどると思いきや打合せが立て込み消化不良気味。
三連休に来週のスケジュールを立てなおします。

コミュニケーション

星田園地にて

 

明日から通常通り仕事です。仕事初めにあたり、普段のプレイヤー兼マネージャーの立場として業務を振り返りつつ、コミュニケーションについて思うことを書きます。

建築設計の仕事

建築設計の仕事はおそらく一般的な仕事に比べで登場人物が多くいます。施主、行政にはじまり、施工者、協力会社、建材メーカー、管理会社などの社外の組織と、さらにその組織の中の各々セクション。社内では企画、構造、設備、などの専門部署との関係、さらにその部署の上司、部下など。内と外、上と下360°さまざまな関係者に囲まれています。
これら関係者にそれぞれの力を発揮いてもらい、一つの方向に纏めていくことが設計者の役割といっても過言ではありません。設計図は建物をつくるためのものでもあり、同時に関係者を一つの方向にまとめる為のものでもあるのです。

同じ方向を向いているとは言え、ビジネスで繋がっている以上必ず利害関係があります。お金の面でいえば施主と施工者。施主は良いものを少しでも安く、施工者は少しでも売上を上げたい。技術な面でいえば意匠と構造。意匠設計者はデザインに合わせて柱や梁などの構造体の形や位置を変えたい、構造設計者は合理的な位置と形状にするべきだ。などなど、数えればきりがありません。

利害関係がある人達をまとめるには

このような人との関係の中で常に意識していることは3つあります。
一つ目は「目的を明確にすること」。全体として目指す大きなゴールと、目の前の相手とのゴールを共有する。接する相手によって目標設定が異なると、全体を集めたときにパズルのピースが全然合わないことになります。

二つ目は「まず自分から動くこと」。相手を動かすイメージではなく、自ら動いた後に続いてもらうイメージ。もちろん相手が行うべき内容を肩代わりするわけではなく、今選択できるベストを一緒に考えそれをリードするイメージ。
三つ目は「期待しすぎないこと」。相手も人間、自分と100%一緒になるわけがないので、期待した結果でなかったとしても凹まず、むしろ違う考え方に触れられたことに感謝するぐらいの気持ちを持つ。

リーダーとして大事なこと

リーダーシップ力、コミュニケーション力、知識などリーダーに必要な資質とスキルはいろいろありますが、リーダーにとって大事なことの一つに「一緒に働きたいと思えるか」という要素があるのではないかと考えています。

それを感じてもらうには、上記の3つに加えて、人としての魅力、いわば「人間力」的なものも必要ではないかと考えています。やはりお互い人間ですから、理屈で全てが割り切れるわけではなく、感情に左右される部分も実は大きいのではないでしょうか。

そこを改善することで今まで苦手だった人や、コミュニケーションがうまく取れなかった人とスムーズにコミュニケーションが図れるかもしれません。
今年は、ルールや、ロジック以外に感情面にも意識をもってコミュニケーションを図っていきます。

【編集日記】
今日は、明日からの仕事に備え充電。正月休みで2キロ増えてしまったので、徐々に戻していいきます。